シリアの秘密図書館

秘密図書館ってタイトルがかっこいい!と借りてきた本。

 

戦争の中、がれきから本を救い出して、戦いながら本を読む。
Facebookに投稿したら、フランスのジャーナリストの目に留まって
ぜんぜん現地には行けないのだけど、ワッツアップとチャットで連絡をとりながら取材していきます。

 

 

 

本を読んでる間は自分自身でいられる・・・
濃い影に強く光る生命力。

シリアで戦争している事は知っていたけど
この本を読むと、アサドをめぐる関係がますます分からなくなる。

なぜ自国民を攻撃するのか?
なぜ豊かな農村を焼き尽くすのか?
なぜ遺産を破壊し尽くしてしまうのか???

まだイスラム国の方がわかりやすいです。
アサドのことがまったく理解できない。
アサドの言うことを聞く軍隊にいる人の気持ちがわからない。

飢えて配給の列に並ぶ人を爆撃するとか・・・
同じ人間と思ってない、心を折るための効率重視の戦略。
信長・秀吉がやった飢え攻めみたいなものなのか。

なんで相手の事を考えているかというと
「7つの習慣」が人気であったという事なのだ。
アメリカでベストセラーになった自己啓発書だ。
私も読んでいいなーと思った本。

「理解してから理解される」が大きな鍵になっているのだけど・・・
なぜ、そうするのかが理解できないのだ。

木の根のスープを飲んで、僅かな弾薬で籠城戦を強いられている
そんな最前線で7つの習慣を読んで、彼らはシリアをめぐる情勢を
どのように思っているのだろうか・・・

いつか会う事があったらきいてみたい。

ダラヤの街をGoogleマップで見てみたら
10Km四方におさまる、ちいさな街でした。
そこに20万人が住み、戦争でみんな脱出して最後は7000人程になる。
そこで1000日間の籠城戦となるわけです。
このくらいの街だと、ひとりひとり顔も名前もだいたいわかっている。

取材相手が日に日に飢えて弱っていく。
時には爆撃で死んでしまう・・・。
そんな中で、読書会を開くんです。
読んだ事がある本が話題になると、地続きである事を感じる。
本を閉じると飢えと戦争。

ただ、自由におしゃべりしたかっただけなのに。
最初のデモに参加して、自由を味わった時。
まさか1000日後にこうなるとは、思ってもいなかったでしょう。

最後に生き残った人たちと再会する場面。
本当によかった・・・けど、トラウマがきつくて日常生活を送れない人も。
避難先もまた翌年には戦火に焼かれている。。。

現代の話、なんですよね。