今週から封切りのNewランボーの予告編がかっこよかったので、見に行く前に見ておこうと思ったのだけど・・・・これ、いま見るべき映画だわ。
子供の頃見て覚えているのは、拷問のシーンが怖かったのと、マシンガンをたすき掛けして大暴れのシーン!これは真似しました。かっこいいナイフにあこがれて山籠りごっことかね。
以下ネタバレあり感想です
今見ると、努力が報われない人の物語でした。
戦争では英雄だったのに、命からがら帰ってきたら厄介者扱い。すばらしい筋肉にすばらしい能力を兼ね備えている。なのに仕事も居場所もお金もない。惨めな暮らしで浮浪者のよう。戦友を訪ねていったらもう亡くなっていて、保安官に不審者扱いされてしまう。
(うーん、しょっぴく理由のある風貌には見えないのだけど。アメリカならではの事情があるのかしら。)
その扱いのひどさったら。まず殴る蹴る、高圧洗浄、無理やり髭剃り。あまりの暴力に戦争で体験した拷問がフラッシュバック。パニックから大暴れして逃げ出します。
子供の頃怖くて見れなかったのはこの拷問のシーンでした。
ランボー山に逃げ込む
これがまた酷い。動物を狩るノリです。何人もで追い込んで見つけたらライフルで撃つ。威嚇も説得もない。同じ人間と思っていない。崖からぶら下がっているところを面白がってバンバン撃つ。話し合いが通じない。味方からも撃つなって言われているのに撃つ。撃ちたいから撃つ。
ランボーはもう戦いたくないやめようっていうのに聞かない。話にならない。興奮した狂ったケダモノですよ。それが正義だっていう。
しかし山に入ればランボーの独断場。ナイフ一本でなんでもやる。かっこいい!
一人、また一人と仕留めていきます。音もなくシュッとね。でも殺さない。圧倒的に有利な状況で保安官にナイフをつきつけ、再び戦いたくない、やめましょうと言い残し山奥に消えます。
それなのに!ランボーゆるすまじと、州兵の動員を要請してさらなる追い込みをかけるのです。アメリカの正義ってこれか、これなのか。
ランボーのクリスマス
保安官の詰所にはクリスマスツリー。クリスマスなんだ。
一方ランボーはイノシシを槍で仕留め、もも肉を一本まるごと焚火にかざしてナイフで削って食べる。これはうまそう!!!あこがれます!でっかい肉をワイルドにー!!!
目がらんらんとして生き生きしている。
これが俺の生きる道だというように。
「こちら、隊長だ。カラス、応答せよ」
元上官のトラウトマンから連絡が入ります。ベトナムと現在が混ざっている会話・・・その会話によりそう上官・・・メンタルスキルの高さ、一体なんなんだろう。アメリカ軍では躊躇なく殺せるように心理学が発達したという、その流れなのかな。最善を選ぶサイコパスに見えてきました。
キレッキレのランボーVSぐだぐたの州兵
翌日から州兵に追われるランボー。さすがに多勢に無勢と思いきや、動きがぜんぜん違う。一瞬で的確に打ちまくる。
州兵は怖くてもう動けない。上官が突撃!と命令しても「いやです!死にたくありません!」って反抗。さすがアメリカ。「英雄を撃つなんていやです!」これも。
国民を守るために志願したのに、悪くないらしい人物を撃つなんて。アメリカのデモでも州兵がデモ隊への命令に従わなかったと聞いています。興味深いシーン。結局撃つんだけど。ロケットランチャーで!
危機一髪、坑道の奥に逃げ込んだランボー。そこら辺にあるもので松明を作り泥水の中を這いつくばってあるき、出口を探します。ここのネズミの大群に襲われるシーンが怖い!!!
あのランボー登場!
脱出したランボーは州兵のトラックを強奪し、タンクトップに弾帯をバッテンにかけマシンガンを構えたあのスタイルに!トラックをガソリンスタンドで爆発炎上させると、銃砲火薬店を襲撃、武器弾薬をまとめて爆破。
保安官は詰所の屋上からランボーを狙いますが、あっけなく撃たれて負傷。ついにとどめを刺すのか?ここまでなるべく殺さずできたのに。そのとき、トラウトマンが駆けつけランボーを止めます。
「任務は終わった、終わったんだ」
仲間の死に様があまりに悲惨すぎて忘れられない、戦争は終わっていないと泣き叫ぶ。
トラウトマンは優秀なカウンセラーのよう
どんなに暴れても何人殺しても味方だという姿勢。あまりにあざとすぎて本当かな?とおもう。その役割だからこなすという感じ。でも絶対不変の約束の方が安心するのかもしれない。恐怖とトラウマを吐き出してハグされたランボー。最後の、あの実にすっきりした顔。。。
アメリカンナイトメア
努力が報われる。貧乏は自業自得。豊かさは神に愛された証拠。アメリカンドリームを信じている人にとって耐えがたい物語ですよね。。。でも、映画がヒットすれば、いやでも正義の闇が目に入る。それこそがこの映画の狙いなのかな、と思いました。