面白かった!
こんなにカロリーが高いマンガを子供に読ませていいのか心配になるレベル。刺激が強くて五感をかき乱される、中毒性が高い。やめられない。90年代が舞台なんだっけ・・・。ジャンプを読んでるお父さんお母さん層を釣ろうって事なのかな。キャラたちやけにタバコを吸うし。飲み会はビールでむちゃくちゃ飲むし。
藤本タツキは何者なのだろう。貧乏どんぞこ暮らしの描写がやけにリアルだ。こういうところで生き残れるのはバカしかいない。デンジはそんなキャラだ。
ズタボロの小屋がやけにリアルで。まいにち食パン一枚を食べるのがやっとで。死んだお父さんの借金をデンジがなぜか払い続けていて、目とか腎臓とか2つある内臓のひとつを売って、せっかく稼いだお金もすぐに借金取りにもっていかれる。100円のためにタバコの吸い殻を食べてみせる。学校には行ったことがない。マンガで知る底辺暮らしか・・・
デンジは自分とポチタと借金取りの社会しかしらない。社会性がぜんぜん育っていない。物事の価値は自分の感覚だけで掴んでいる。胸を揉みたい、モテたい、100円ほしい。それだけで超必死になる。
思春期の自分に読ませてみたいな!胸になんの価値があるかも知らないでエッチな記事を見てどうやら貴重なものらしいと思っていた頃の自分に。
パワーちゃんの胸を揉んで何も感じなくてショックで、マキマさんが指や手の形や体温をよくみて・・・理解して触れさせると圧倒的に顔が真っ赤になるシーン。わー青春!!!甘酸っぱぱい!!!その違い。違うんだよ。単なる物体を揉んでるのと、心が通うものを揉んでいるのは!
体の描写がすごい。ありとあらゆる角度ですごい動きを見せてくれる。ほぼヌードなのにエロさを感じない。正確なデッサンに基づいているから?エロ絵を描くときの誇張がないから?戦う肉体としてバチバチに表現されているから?ほぼヌードで戦っていたのに突然パンツをはいていて驚かされたシーンがあった。逆にエロいって!
悪魔は人間の体に頭部が異形。馬の体に人間の上半身だと親しみを感じるのに、人間の下半身に馬の上半身だとギョッとしてしまう。頭が異形だと本能が拒否する感じ。その嫌な感じを表現しているんだろうなあ。ハンターハンターの暗黒大陸の怪物にもそういうのがいた。富樫さんに影響受けてるマンガがたくさん育っている。
悪魔の力は人々の恐怖なんだという。コーヒーは怖くないからコーヒーの悪魔がいたらきっと弱い。銃は怖いから銃の悪魔は恐ろしく強い。デンジたちは銃の悪魔を倒すのが最終目標だったのに、それよりもずっと強いのが「支配」の悪魔。鳥肌が立つ。その支配に立ち向かうのがデンジ。カッコいい!!!
そして第二部
制服強強剣に笑う!みんなちょっとずつダサいのがいいよね。こんな制服着てたなって。そしてボロい家。どん底暮らしの人が生活保護の人を叩くんだ。リアルすぎる。いじめが暴走していくのも。
藤本タツキはどんな地獄を見てきたんだ。地獄から復活したのが藤本タツキなのだろうか。チェンソーをぶんまわし破壊しつくし世界を血みどろにする。地獄で見ていた夢みたいだ。もう一周みてこよう!