就労支援を辞めてきました。

 なんていうか、とても親切にしていただいたので、申し訳ないのですが・・・この先どんなにがんばっても、耳が聞こえるわけでもないし、ナルコレプシーも治らないし、時間感覚の喪失や相貌失認が改善するわけでもない。お医者さんは薬を飲んで訓練すれば毎日ちゃんと働けるようになる、そうならないなら、仕事をするのはあきらめて、生活保護でももらいなさいということで。

 

 うまく説明できないのだけど、毎日きちんと通えるようになりましょう、指示はちゃんと聞けるようになりましょうと言われるたびに、出来ない自分はいったいどうやって生きていけばいいんだろうと、ずっと悩んでいました。でも誰に聞いても答えはなかった。がんばってと励まされる。

 

 そんで仕事を紹介してもらったとしても、暮らしていくには厳しい給料のところばかりで。障害者は誰かのお世話になる事が前提なのでした。最初、普通に暮らせる給料がほしいと言ったら「えっ、自立を考えているんですか」と驚かれた、のに驚いた。びっくりした。

 

 障害者という生き方は、まず「生きる」のが第一目標。年金か生活保護か、実家か、福祉サービスか。まずお世話になる先をなんとか見つける。その上で余裕があったら「働く」。自立するのはまず奇跡、相当な血の滲むような努力の先にようやく実現する感動の世界。ううううむ。

 

 昨日はたまたま「劇レアさんを連れてきた」というテレビを見ていて、そうそうこれだよって思いました。

 

 多分すっごいADHDの方なんだと思う。バイト先のメニューは覚えられないし、変なスカウトに騙されちゃうし、どんどん貧乏に追い込まれてホームレスになる。でもとにかく行動するので、幸運も引き寄せまくる。そして天職と出会ってぐんぐん成長し世界一に!めっっっちゃ感動しました!!!

www.tv-asahi.co.jp

 

 もしこの方が、就労支援に通って、遅刻しないように、大騒ぎしないように、常識が守れないと何もできないんだよと教えられてて、どこかでギリギリ就労したら・・・きっと苦しい人生になったと思う。それを思うとこっち側じゃあないんだって気持ちになる。

 

 障害者の人生をよいものにしようという、長い長い歴史があって、いまの制度がようやく出来て。ただ、その範囲に入れなかった。それだけの事なんです。