東京ブラックホール 1964年編を見て、絶対に戻らないぞと誓った。
はーすっごいな。おどろいた。
東京ブラックホール1964年編を見ていました。
60年代って明るくてポップでヒッピーで、キラキラしたようなイメージを抱きがちですが、今日のこの番組は忘れられた記憶を開けてみようと言う事で、当時お蔵入りになったドキュメンタリーを軸に展開していきます。
スモッグの中突き出す東京タワー
貧しい農村からの出稼ぎ。怪我や死亡が相次ぐ現場。帰ってこない親たち。
貧困と差別がすさまじく殺人事件が日常茶飯事。庶民のトイレは汲み取り式で、バキュームカーで東京湾に捨てていたとか、ゴミと公害で多くのの子供達が肺病になっていたとか・・・
手塚治虫や藤子不二雄のマンガで読んだ世界です。
見せたくないと隠していた世界です。
農業人口が600万人減って、東京の人口が600万人増える。
1945年から1965年で東京の人口が600万人増え、その一方で農業人口が600万人減る。
すさまじい変化ですよね。。。
インフラの整備がぜんぜん追いつかなくて、泥だらけで不潔な街、東京。
東京に働きに出たものの、下っ端は人間扱いされない。病院は怪我で障害を負った人だらけ。保証はろくにない。働けなくなると血を売って日々をしのぐ。すさまじい差別の世界を、時代劇を通して描いた人物として白土三平先生(87)。ご存命でしたか!!!
なぜ一部の上の人は自由と平等を唱えながら、下っ端を虫けら扱いするのか。自分で言っててその矛盾に気がつかないのか・・・ずっと不思議だったのですが、ルーツはここらへんにあるんだろうと思いました。
オリンピックに向けて突貫工事がどんどん進み、ギラギラに肥え太っていく東京。
1964年?2019年?
どっちもあんまり大差ないと感じるのは、生きるか死ぬかというラインは、世界が変わっても、変わらないからじゃないかと思いました。
いま私はアルバイトと請負で食いつないでいる状態で、そうするとオリンピックにぜんぜん触れる機会がありません。
まずチケットはぜんぜん買えないし、ボランティアに行く余裕もないし、テレビもほとんど見ない。だって何も買えないのにテレビを見たらストレスじゃありませんか?この状況、1964年の労働者と同じだ。
何にも関われないイベントに税金を使われるってはらがたちますね!
台風被害のまちにどうにかして納税しちゃうから!!!!!
前回のオリンピックでは、当時の金で5兆円を突っ込んだ。
狂気の沙汰もすごすぎる。その感覚を引き継いでいるとしたら、まーだいけると思うんだろうか。
1964年6月の世論調査
オリンピックに興味がある人・・・2.2%。
今の日本でしなければならない事がほかにたくさんあるはずだ・・・58.9%
開催まで4ヶ月を切って無関心な人がほとんどでした。ところが、いざ開催してしまえば、国をあげてのお祭り騒ぎに大コーフンの庶民の姿が!
なるほど、この成功体験があるから、いま私たちがしらけて無関心でもまーだいけると確信してしまうのかな。。。そうして50年たった今でも素晴らしかったと言われ続ける。となると、無理して大借金して国を傾けてもやろう!と思ってしまう・・・のだろうか。こわいな!!!
女子バレーの監督の虐待ぶりに、外国人記者がドン引きしている。
朝8時から16時まで働き、その後深夜まで罵声と暴力の特訓。人間性とは・・・そして優勝してしまう。厳しくすれば金メダルを取れるという成功体験を得てしまう。これにはゾッとするばかり。
非国民だ!
女子バレーを引退しようとした選手にぶつけられた言葉がこれ。思い出す。学校の先生が何かあると「非国民!」と怒鳴っていた。。。この世代の人だった。非国民って聞くと心臓がざわざわする。
直前で北朝鮮チームがボイコットして韓国チームに飛んできてもらったり、すんごい事件事件を乗り越えてオリンピックをやった、と言う事でした。すごい。そしてもっと怖いのが、
オリンピックの最中に核実験ーーー!?
お祭り騒ぎの中、不参加だった中国が核実験を実施。これだけでも怖いのに、刻々と放射能が上昇する中滞りなく実行されるオリンピック。これは初めて知りました。
1964年10月10日〜10月24日がオリンピック。
1964年10月16日にロプノールで核実験。
ロプノールって今でも放射能バリバリなので近づいちゃいけないそうです。
50年たってそんな影響が残るような核実験・・・ということは、ひょっとしてチェルノブイリ以上のインパクトがあった?それなのにオリンピックと日程が被っていた事を今日まで意識しないくらいニュースになっていなかった・・・???
ここここわっ!!!!!
男性ばかりが働く社会の誕生
この時代に爆誕したのが「モーレツ社員」朝から晩までモーレツに働く。このため女性は専業主婦になり家を守るようになり、世界に類を見ない「男性ばかりが働く社会となった」
この頃の事はうっすら先輩たちから聞いている。
とてもやりがいがあって、楽しかったと。そうなんだ。全力疾走するのは楽しい。聞くたびに、もしかしたら、この時代の方が生きやすかったかも・・・と思うことがある。
いい時代だったという話になってしまう。
そりゃあそうだ。
若者に先輩としてエッヘンしたいのだから、いい話をするに決まっている。
私だってブラック企業時代を話すときは面白おかしく語る。本当に嫌だった事は滅多に話さない。いい時代と思われてしまう。
だから、たまに臭い蓋をあけて、絶対にもどらないぞと決心することが必要なんだと思う。なんでこうなっているんだろうってルーツを知ることも。
NHK、オリンピック推しなのにこんなヤバイ番組を作るなんて・・・すばらしいです。