ADHDの私が『ポイズンドーター・ホーリーマザー』を読んだら案の定とっちらかっておりました。

平積みになっていた話題の本を立ち読みしたら、続きが気になって気になって、一気に読んでしまいました。

ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

 

 

イヤミスの女王」湊かなえさんの本です。

イヤミスとは嫌な後味のミステリーの略だそうで。読んだ後、いやーな気分になります。なのに気になって続きを読みたくなる。まるで変なツボを押されたような、超くさいチーズをやめられないような気分です。

 

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そしてドラマ化。作者のインタビュー、出演者のインタビューを見ていたら・・・???

 その中にありゃっと思うものがありました。なんとストーリーを読み違えていたのです。ADHDの私は人間の感情をしょっちゅう間違って受け取ってしまいます。この作品では暗黙の了解の行き違いがトラブルの元になっています。うーん、わからないぞこの暗黙!

 

大きく間違ったのは「ベストフレンド」「ホーリーマザー」でした。

以下、間違ったネタバレと感想です。

 

「ベストフレンド」


 主人公の私、漣涼香(さざなみすずか)はテレビドラマ脚本新人賞をとる。おなじく優秀賞の直下未来(そそりみらい)は何だかたよりない男。最優秀賞はダサくていけてない大豆田薫子(まみゆうだかおるこ)の手に。同期の3人でがんばろうねとメールの交換をする。

 しかし審査員の男から「実は君が最優秀賞だったのに、他の委員のゴリ押しであの子のものになったんだ」と耳打ちされ、悔しくてたまりません!審査員の誘い方がまたいやらしくて嘘っぽいのにこの男の言う事に振り回される涼香。ひやひやハラハラです。

 涼香は夢を諦めずに何度も何度も応募し続ける。しかしぜんぜん賞を取れない日が続く。焦る涼香。一方、最優秀賞をとった薫子はどんどんヒットを飛ばし続ける。悔しくて薫子を殺したいと願ってしまう。

 ある日、薫子が海外のすごい賞を取り、遠征から帰ってきます。空港に出迎えに行く涼香。手を振る薫子。いまだ!隠し持っていたナイフで薫子をグッサリこれで終わりだーっ!その時背後から男が飛び出してくる。手にはナイフ。涼香は偶然にも男と薫子の間に入り、かばうように刺され、絶命します。男は優秀賞の直下未来だったのでした。

 涼香はいい人という事になり、薫子は親友を疑ってすまなかったと涙にくれるのでした。

おや???


作者のインタビューを見ていたら、なんだか変なんです。涼香っていい人なの?がんばりやでただ花束を持っていっただけ!?本気で身を挺して薫子を助けてた???もう一度読み返したら確かにそのようでした。

 

ホーリーマザー」はもっとこんがらがった。

もう一つこんがらかったのがホーリーマザー。
前編のポイズンドーターは娘目線の話。お母さんは分からず屋で娘をがんじがらめにする。もう息苦しくてしょうがない。そんな娘が復讐する話。

後編のホーリーマザーは母の話。母は娘を思いやるのですが、どうしても愛情のカタにハメようとしてる感じがして、、、やっぱり息苦しかった。


だけどレビューを読むとお母さんは実はいい人で娘が毒でせめて話し合えばいいのにて意見が多くて驚いきました。娘さん、全国放送で親の毒っぷりを広めるのはやりすぎって、まあ、そうだよね。。。

 

 私は普段から複雑な感情がわからなくて、よく間違えてはトラブルになっています。暗黙の了解が分からずいつも困っています。例えばまた来てちょうだいねがどれくらい本気なのか、社交辞令なのかが分からないのです。

 

「優しい人」のように優しくされたら本気でそう思ってしまう。

「罪深き女」のように親切にありがとうを言われたら依存してしまうかも。

「マイディアレスト」のような環境にいたら狂ってしまいそう。

 

 登場人物はどなたも建前やあるべき姿を語り、本当の気持ちは語られません。

 もしかしたら。いつも地雷を踏み抜いている裏にはこんな事情があるのかも。どなたも自分は悪くない、ただ不幸だっただけと思っています。怖い。

 

 イヤミスがくせになりそうです。